なぜ交通事故でむち打ちになるのか?

交通事故の接触追突事故などの衝撃により、首の部分がムチがしなるように前後に連続して大きく動くためにむち打ち症と呼ばれています。

むち打ち症の起こり方は、大きく分けて正面衝突、側面衝突、追突によるものとがあります。
人間の首(頚部)の動き(正常範囲)は、一般的に前後方向ともに60°程度とされています。
その運動範囲を超えて、それ以上に伸びたり(伸展)屈めたり(屈曲)した場合、首の周辺の組織(軟部組織・・骨を囲んでいる靭帯など)が伸びたり切れたりして症状がでるのです。
その中でも、もっともなり易いのが、後方より衝突された「追突」によるもので、全体の90%を占めるといわれています。

正面衝突の場合は、首はまず前に強く曲げられ(屈曲)、その後伸展することになることや一般的に危険を予知出来る場合が多いので、 首の筋肉が緊張状態になり、伸展や屈曲を筋肉の力で減らすことが出来ることから比較的軽度で済みます。

むち打ち症の大きな特徴は、受傷直後には往々にして自覚症状はなく、あるいは現れても軽い痛みだけという点です。
たいていは受傷の1~2日後から症状が現れ、また最も強くなることがほとんどです。受傷から1週間たってから発症するケースもあります。
それ以外にも、頭部の外傷や打撲が原因で起こる場合もあります。

軽度のむち打ちでは、痛みは首にとどまり、首が動かしづらいといった程度ですが、ひどい場合は、痛みが腕や背中、後頭部,腰まで広がります。
さらに重症になると、脊髄や脳が障害され、吐き気やめまい、耳鳴り、まひ手足の麻癖、言語障害などが起こることもあります。
また、交通事故が原因の場合は、精神的なショックや不安が症状を悪化させたり、長引かせたりすることもあります。

■主な自覚症状:(バレーリュー症候群)
頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り・首や腰の痛み・コリ・ハリ・手足の痺れふるえ・脱力感・ 胃腸等消化器系統の機能低下・食欲不振 精神的ストレス